ヘッドホンの音質・性能(Headphones specs)

ヘッドホンのお話

最近、ヘッドホンの種類の多さに驚かされます。 大手の電器メーカーなどオーディオ製品を縮小
しているにもかかわらず、ヘッドホンだけは例外で生産が増え続けています。
これは、携帯プレーヤーやアイ・ホーンの普及に関連していることもありますが、狙いは別にありそうです。

 

オーディオ製品、例えばスピーカーやアンプ等の開発をすると、設計から製造などの他、原材料
コスト及び時間がかかります。
現在の大手の電器メーカーの経営方針は、手間、時間、コストをかけずに最大の利益が重視されています。 
ヘッドホンは新しく独自で開発する必要がなく、アジア圏でヘッドホンを製造している会社に、設計から製造まで委託することで製造ができるので、これまでヘッドホンを生産したことがないメーカーまで参入してきております。

 

日本の電器メーカーの役割は、商品に自社のブランド名を入れることと、きれいなカタログを製作するのが本業になりつつあります。
もちろん会社である以上、コスト削減などの努力は必要です。 
しかし、ヘッドホンなどのオーディオ製品のなどのような人間の感性が重要になる商品は、音質のテストなど、何度もフードバックして製作しなければ良い商品は出来ないものです。

最近のヘッドホンの音質の傾向

最近、DJ等のの影響からやたらと重低音が響くヘッドホンが多くなってきています。
音のバランスが明らかに低音に肩よっていて不自然な音質です。
しかし、これらのバランスの悪い重低音サウンドを好む人が増えてきているもの事実です。

 

プロの世界でもこれらの傾向を利用して、より重低音のリズムに傾いたサウンドを製作したり、フワーとした低域を利用して、ボーカルの声を広げ歌をよりうまく聴かせることに成功しているようです。(現在は、80年代のようなダイレクトなボーカルはなく、エコーがかかったようなボーカルが増えてきています。)

ヘッドホンの出力方式について

ヘッドホンの方式には、ダイナミック型と非常に少ないですがコンデンサー型があります。

 

ダイナミック型ヘッドホンの特徴

 

出力が大きく比較的パワフルなサウンドになりやすい特徴があります。
パワフルな音の反面、周波数レスポンスに凹凸が出やすく繊細な音が出にくい特徴があります。
構造が単純なのと製造がしやすいので、ヘッドホンのほとんどがダイナミック型になります。

 

コンデンサー型ヘッドホンの特徴

 

コンデンサー型のヘッドホンはダイナミック型にない、周波数特性がフラットなのと周波数レスポンスもフラットに出力されるので、たいへん繊細でさわやかな音がします。 
ヘッドホンの音の理想といえる音質ですが、ヘッドホン単体では出力が小さく、別途に専用のアンプを必要とするので、携帯性は良くありません。

 

 

現在、プロフェッショナル・ヘッドホンはダイナミック型になります。
(以前はコンデンサー型のプロフェッショナル・ヘッドホンが発売されていましたが、残念ながら現在は発売されていません、)

密閉型ヘッドホンとオープン・エアー型ヘッドホン

ヘッドホンのタイプは密閉型タイプとオープン・エアー型があります。 

 

密閉型とは
ヘッドホンの中に入っているユニットの後ろを完全に覆うことにより、音漏れを防ぎます。
また、外部からの音を遮断することができるので、出力サウンドが正確なモニターに出来ます。
しかし、密閉型ゆえに低音がこもりやすく不透明になる傾向があるので、低音を明快にスッキリ出力させる設計が大切になります。

 

密閉型は比較的、解像度は良好ですが、構造的に音が篭りやすい傾向にあるので、音が篭りにくくし高音を繊細に爽やかに出力できるようにするのが勝負になります。

 

 

オープン・エアー型ヘッドホンとは
ヘッドホンの中に入っているユニットの後ろを開放することで、ユニットが動きやすくなり低音のこもりの少ない自然な音を実現します。
自然な音質で疲れなく長時間モニターできるのが魅力です。
しかし、ユニットの後ろを開放されているゆえに、音漏れが激しくなります。
また外部の音が聴こえるので、大きな音が出ている現場で正確にモニターが出来にくくなります。

 

オープン・エアー型は構造的に密閉型のような篭りは少ないですが、その分音が薄くなる傾向があり解像度が低く感じてしまいます。
オープン・エアー型は、音が薄くならない密度の高い音(解像度の高い)音を出力するのが勝負になります。
(注意 オープン・エアー型であっても、高音が出ないユニットや低音強調型ユニットを搭載しているものは必ず音が篭ります。)

 

以前はプロ用のモニターヘッドホンは密閉型ばかりでしたが、最近は長時間のモニターを考慮してオープン・エアー型ヘッドホンを好むプロの方も増えています。

ヘッドホンの音質と性能

ヘッドホンの音質は、カタログ・スペック等の外部からは判断できず、実際に視聴しないと音質の良し悪しは判断することはできません。
かつては、各メーカーごとに音質・音色などのカラーのような主張がありましたが、現在は同じメーカーでも機種が異なると音質・音色が変わるので、日本のメーカーにおいては音質・音色などのカラーは存在しません。

 

その中プロフェッショナル・ヘッドホンは、比較的メーカーごとの音質・音色が統一されているようで安心して選べます。

 

ヘッドホンの性能を決めるものは、

 

 ・周波数特性
 ・音圧
 ・fレンジ

 

などありますが、現時点ではカタログのスペックの記載で明らかに劣るものは存在しません。

 

また、非常にハイ・スペックにカタログに記載されていても、全くハイ・スペックを感じさせないヘッドホンの多く存在します。
性能は音質と共に、やはり実際に視聴しないと分からないものです。

その他のヘッドホン

ワイヤレス・ヘッドホン
ヘッドホンには、音源を電波に変換して飛ばし、その電波を受信して再生するケーブルがないワイヤレス・ヘッドホンがあります。
ケーブルがないという便利さはありますが、音質は電波に変換が必要な為、必ず劣化します。
これは、高価な商品でもかわりません。

 

 

ノイズ・キャンセリング・ヘッドホン
音波は正相に逆相を加えると、ゼロになるという現象を利用して、ノイズキャンセリングが登場しました。
このヘッドホンの特徴は、外部の音に逆相の音を加えることで外部からのノイズを遮断します。
外が騒がしい環境でも、クリアーな音質が楽しめるのが特徴です。
しかし、逆相の装置が必要為に普通のヘッドホンより複雑になり音質が劣化します。
たいへん高価なヘッドホンのラインナップが多く、音質の改善が進んでしますが、音質の劣化は避けられません。

 

骨伝道ヘッドホン
普通のヘッドホンは、空気の振動を鼓膜に伝えるのに対して、骨伝道ヘッドホンは骨を振動させることで鼓膜を振動させ音を伝えるます。
かなり特殊なヘッドホンで、にぎやかなレストランや騒音の多い遊技場などに使用されています。
骨を伝わってくるのでかなり変わった音がするのが特徴です。

 

一部の聴覚障害者に重宝されているので、今後なるべくはやく聴覚障害者の方も高音質で音楽再生が楽しめる骨伝道ヘッドホンの開発を心から望みます。

日本のヘッドホンの歴史を振り返ると

ヘッドホンの飛躍的な音質や性能がアップされたのは、1980年あたりから、CDプレーヤーが一般的に普及し始めたころからだと思います。

 

これはこれまでオーディオがアナログレコードを中心に発展してきましたが、CD(コンパクト
ディスク)の登場により、そのCDの性能が低音から高音まで歪なくフラットレスポンスで再生できる
ものであったために、オーディオ機器を販売している会社は、今まで販売してたオーディオ機器
の見直しをせまられました。(これはアナログの音質がCDに音質が劣るということではありません)
その結果、オーディオ商品は1980年より以前のものより、スピーカー、アンプ、アナログ・プレーヤー、チューナーに至るまで大幅に性能が上がりました。 その時ヘッドホンも例外なく大幅に性能がアップしました

 

この1980年代の日本のものづくりは、全世界からみても理想だったかも知れません。
なぜならば、世界の人が日本の電気製品にあこがれた時代でもあります。

 

しかし、この理想的な日本ものづくりの時代は長くは続きませんでした。 1989年にバブルが崩壊した後になぜか、日本企業は労働賃金の上昇を理由に海外生産に移行することになりました。
これまで、どんなに日本の労働賃金が高くても、日本の製品は世界で最も信頼と売上げを
上げていたのですが、バブル崩壊後は企業のトップは自分たちが利益を株や海外の土地などの
金融商品の投機に失敗したことを棚に上げて、日本の労働賃金の高さを不況の理由にしました。 当時の経営者からしてみば、自分たちの失敗を隠すには最良の方法だったのかもしれません。

 

1995年以降の日本製品は、海外に製造を移転するの第一の目的だったので、品質が著しく低下する現象が起こりました。 
日本の会社は昔のように世界最高の品質を求めるのではなくなり、数と低価格で勝負するようになました。
そのため現在は、昔のような日本製の高品質の商品を手にいれるのがたいへん難しくなっています。

 

ヘッドホンも、冗談のような話ですが、30年前の日本製品に比べ遥かに品質が落ちています。
3年前ではありません30年前ですよ!
当時の日本の工業製品の品質は、今のようなヘッドホン購入して3ヶ月で内部の腺が断線による片方から音が出なくなるというトラブルなど皆無であり、そのようなクレームは消費者は寛容ではありませんでした。
ましては、ヘッドホンのヘッドの部分が割れるトラブルなどおこすと、メーカーの信用はガタ落ちになり大変なことになります。
仮にそのようなことが発生するようなら、メーカーは真剣にとらえ直ぐに対策をしたものです。

 

現在では、当時のような日本の高品質なヘッツドホンをヘッドホンを手に入れるのは難しくなってきています。

 

また海外のヘッドホン・メーカーも日本と同じく生産をアジア諸国に委託するようになりました。
もしかすると、日本を含む世界の多くのヘッドホン・メーカーは、販売するほとんどを商品をアジア諸国で生産し、国や製造会社は、ほとんど同じ可能性があります。

 

そのようなヘッドホンに高額を支払うのは、もったいないことだと思います。
あまり品質等は期待できないので、ある程度、消耗品として覚悟して購入する必要あります。
気に入ったヘッドホンを修理するにも、かなりの高額の見積もりが予想されるので使い捨てのを覚悟しなければならないと思います。
よって、普通のヘッドホンに購入する金額は1から3万円ぐらいが妥当だと思います。
(音質的に優れているイヤースピーカーは除く)

コンデンサー型とは

限りなく透明かつフラットで、美しい繊細な音というものを聴いたことがあるだろうか?

 

高級ヘッドホンを視聴すると、大変優秀で音質が良く素晴らしいと思いますが、ダイナミック型である限り必ず音の癖のようなものがあます。

 

一度でもコンデンサー型のヘッドホンを耳にすると、その音質の良さに感動すると思います。
その音は、まさしく限りなく透明かつフラットで、美しい繊細な音です。

 

恐らく、コンデンサー型のヘッドホンの音質の良さは、ヘッドホンに低音重視と考える人も一度でも視聴すれば必ず理解でき、好きになると思います。

 

低音重視も楽しいことですが、コンデンサー型の音質はヘッドホンの次元を超えた存在です。
DJの人でも、必ず別に音楽再生ように欲しくなること間違いありません。

 

このサイトでは、主にプロフェッショナル・ヘッドホンをオススメしていますが、最高の音質を求める
人の為にコンデンサー型であるSTAXのイヤースピーカーを紹介しています。

 

このサイトの考えは、音質を求めて何万円あるいは10万円以上するダイナミック型のヘッドホンを
求めるぐらいなら、一度、STAXのイヤースピーカーを検討することをオススメしています。
そのほうが、無駄遣いせず最高の音質をすばやく手に入れることができると確信しています。

 

音質の良いヘッドホンを製作するには

オーディオ製品などの機器の音質を良くする方法は、簡単ではありません。

 

新しい素材のマグネットや抵抗が少ないといわれる線材等、音質を大幅に改善する可能性を秘めているのも確かです。 それらを使用すると必ず音質あるいは音色が変化するのも事実ですが。必ずしも音質を改善するとは限りません。

 

試作品を製作して、何度の何度の視聴して改善していく地道な作業が音質を良くしていくものです。
シュミレーションも大切ですが、シュミレーションだけで、良い商品を製作するのは、人間の感性を重視するオーディオ製品では不可能です。

このサイトの目的及び考え

このサイトの目的は、最近多くの種類のヘッドホンが発売されており、また毎年毎年、多くの種類のヘッドホンが登場している中、どのヘッドホンを選べば良いか?迷ってしまうことが多いと思います。
そこで、ヘッドホンについての考えを説明することで、プロフェッショナル・ヘッドホンを紹介させて頂いております。

 

これからヘッドホンを、ご購入される方に少しでも参考にしていただければ幸いです。

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